読了。
ヴィルに、わたしからの最後のお願いがあります。 わたしが死んだあと、つまりこの手紙を読んだあとのことです。 一年くらい、同じ季節がまたやってくるあいだ、日常の生活のどこかで、わたしのことを思い出してください。 きれいな景色を見たら、何か感動することがあったら、わたしがその時ヴィルの隣にどれほどいたかったかを、 ほんの一瞬でもいいですから、思ってください。隣に目をやってください。 そして一年が過ぎたら…、ヴィルは前を見て生きてください。ヴィルの人生を、楽しんでください。 ステキな彼女を見つけて、その人を心から大切に思い、好きになってください。大好きになってください。 ヴィルが大好きな人と一緒に、死ぬまで幸せになってください。 昔おばあちゃんが言っていたとおり、人の死が単なる長い眠りだというのなら、 わたし一人が勝手に先に眠ってしまうことを、それなりに許してください。 起こさないでいいです。 もう起こしてくれなくてもいいです。 ありがとう、さようなら、ヴィル。